【とと姉ちゃん】大橋鎮子さんが教えてくれた「ていねいな暮らし」詳細について
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暮らしの手帖を作った大橋鎮子さんと NHKの朝ドラの効果があいまって 素敵な1冊になりました!
NHKの朝ドラが毎回すてきなのは、スポンサーがCMの会社ではなく、受信料を払っている私たちなので、 視聴率に左右されずに、純粋にいいものを作れるからだと思います。
現代社会に訴えたいメッセージが今回の「とと姉ちゃん」=「すてきなあなたに」なんでしょうね。 この朝ドラを通して、すてきなあなたにが広まり、「身の回りにある小さな幸せ」が大切なことに気づく人が増えるといいなぁ。
この本は、大橋鎮子さんや『すてきなあなたに』に影響を受けた方、8名のインタビューや執筆をまとめたエッセイです。
お先にいただいた本をじっくり読ませていただき、感じたこと。 それは参加者8名の未来に対する「考え方や想い」が似ていたことでした。
女性の強さが未来を作るだろうということです。 その強さは、力でも言葉でもありません。他人とは比べない自分を貫く芯の強さです。
情報にのまれ消費するだけの生活を続けていたら、苦しくて忙しくて幸せを感じる機会は減ってしまいます。 もっと地に足の着いた暮らしをしていくことの楽しさを次の世代に伝えていくことがワタシにかせられたミッションなのかもなぁと感じました。
メディア関係者の皆さんがそいうった企画を考えたり、多くのブロガーさんがオリジナリティー溢れる暮らしを 伝えていけば日本の未来は変わる気がしています。
「すてきなあなたに」は暮らしの本質が詰まっていると思います。
以下、一部抜粋して紹介します。
1、田村セツコさん
「りぼん」や「なかよし」で活躍されたイラストレーター。 サンリオの「いちご新聞」のHAPPYおばさんでもある方。
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「幸せってなんだろう」とよく言うけれど、優秀な学歴があって、立派な企業に就職して、快適なお家を買って、、、とか、みんな幸せを「物件」としてとらえるじゃないですか。そうじゃなくて、もう少し肩から力をぬいて、身近なところにある、ささやかな幸せをつかまえる才能があれば幸福に生きられると思うんですよね。それを発見する「センス」が実は重要だと思います。本当はこの世界には、シャワーのようにワーッといっぱい生きるヒントが注がれているのに、それに気づかないで、まったく別の価値を求めてしまう。「ブランドの洋服がほしい」とか「いい車に乗りたい」とかじゃなくて、すぐそばに、こんなにもキラキラしたものがある。それに気づけばいいのに、というようなことを、私は『すてきなあなたに』から教えてもらった気がします。
2、坂東眞理子さん
総理府に入省し、女性政策に取り組む。埼玉県副知事を経て現在は昭和女子大学理事長。 著書『女性の品格』が有名で2児のお子さんを育て上げたバリバリのキャリアウーマン。
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働く女性といえば、やらなければいけないことの前で時間に追われて、あたふた暮らしている人のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。女性が働くためには超えなければならないハードルがたくさんあって、本当に失うほどの忙しい暮らしに直面している人が増えているのが現状です。専業主婦が家庭のなかでは女王様で、手のひらで旦那を転がしていればゆとりのある暮らしができるという社会は終わりました。今の日本の社会で、女性はどうあるべきか。やっぱり視野を広くしておくことが肝要だと思います。「友だちからどう思われたか」とか、「LINEの返事がこない。無視されてるんじゃないか」というような、狭い世界で気を遣ってる人たちがものすごく多くて。「もっと目を開けなさい」「窓を開けて外に出なさい」と言いたいですね。不景気とはいえ、60年代に比べれば圧倒的に豊かで、便利で、清潔な今の日本において、守られたなかで、小さな私的空間に閉じこもっていてはダメですね。やっぱり外の世界を経験するということはとても大事だと思います。
3、こぐれひでこさん
ファッションブランド「2C.V.」を立ち上げ後、イラストレーターに転身。 食や暮らしに関するイラストやエッセイを中心に執筆している方。
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やっぱり人間の原点って、ご飯なんでしょうね。食べ物というのは飽きないから。美味しいものが好きなんだったら、「食べログ」でお店を探すだけじゃなくて、自分でアイディアを絞ったり、工夫したりということを、どんどんやってみたらいいと思います。そのほうがぜったいに楽しいですよ。昨今、若いお母さんのあいだでも、子どもへの食育の大切さが叫ばれていますが、とてもいいことだと思っています。親の育て方の違いで、好き嫌いが多い子と、なんでも食べられる子がきっぱりと分かれていますね。やっぱりなんでも食べられる子のほうがかわいいなと、私は思うし、本人たちもそのほうが、この先楽しい人生を送れると思いますよ。食べることは、人生を面白く楽しく、豊かにする、最高のツールなんです。
4、石黒智子さん
リンネル3月号でもご一緒させていただきました。快適なキッチンライフを提案しながら 貝印「石黒智子のシンプルな台所道具」シリーズなど商品開発にも携わる方。
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「よりよく生きるということは戦うということ。人生の戦いから逃げてばかりいては幸せになれませんよ」と、『すてきなあなたに』はいつも私に力強く語りかけてくれました。「誰の人生も最後はトントンですよ」と教えてもらったのも『すてきなあなたに』でした。誰もが辛いこと、悲しいことに襲われる。災難にも必ず遭う。そう腹を括って毎日を生きています。楽しいこと、うれしいことも必ずめぐってきます。幸、不幸と一喜一憂しない。それだけを自分に言い聞かせて、人にもモノにも振り回されず、生きています。
5、岸本葉子さん
食や暮らしのスタイルの提案を含む生活エッセイや、旅を題材にしたエッセイなど多岐にわたる著書がある方。
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『すてきなあなたに』には、暮らしを豊かにする小さな知恵がいっぱい書かれていました。強いメッセージがあるわけではないけれど、ちょっと視点を変えてみたり、少しの心くばりや、ひと手間を加えることによって、生活の質を高めることができる。小さな日常のなかでできることって、いっぱいあるんだなと、あらためて気づかされました。どの1日も「本物の時間」で、それは20代だろうが、30代になろうが、50代になって容姿が衰えようが、いつでも「本物の1日」です。そしてどの1日だって1度しかないのです。だからみなさんも、今日を思う存分、大事に生きてほしいな、と思います。
6、門倉多仁亜さん
料理研究家として活躍する傍ら、ドイツ流のシンプルなライフスタイルで多くの著書がある方。
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「なんでもシンプルに」という哲学にも、とても共感します。私もこういう仕事をしているので、情報を発信していますけれど、今の世の中、情報が多すぎて、頭のなかがぐちゃぐちゃになることがあるので、そんなときは『すてきなあなたに』を読んで「本当はそうじゃないよ」と再確認させてもらって、リセットしています。本質とはなんなのか、本当に大事なことはなんなのかを、いつでも教えてくれる本です。料理の仕事をしていると、「毎日違うメニューで」という強迫観念にとらわれすぎですよ、と言いたくなるんです。毎日違うものを食べる必要はないし、べつにレストランじゃないんだから、そこまで凝っていなくたっていいと。そういうことが大事なんじゃなくて、今は女の人も働いていて忙しいんだから、できる範囲内で、健康に良くてシンプルで普通に美味しいものを作ればいいのに、と思うんです。もっと普通でいい、「自分の普通を見つけましょう」ということなんです。
7、堀川 波さん
絵本作家、イラストレーターで活躍されている方。
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1969年から連載が続いている『すてきなあなたに』は、かなり昔のお話なのに、今読んでみても「先をいってる感じ」がします。 その一方で、すごく地に足が着いている感じがあるから、不思議なんです。相反するふたつのことが同居している。大橋鎮子さんの華やかな人脈や海外での見聞録など、はなれた世界のことが書かれていたかと思えば、「寒い朝には生姜湯を飲みましょう」という感じで、すごく近距離によってくる。遠い話と近い話が交互にやってくるのが面白いのです。この本に書かれていることを自分に「取り入れよう」というのではなくて、フィルターをとおして自分とは違う女の人の暮らしを覗き見る感覚というか。読んでいるあいだ「ちょっと違う自分になれる」という楽しみがあります。
8、マキ
ワタシです。
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この暮らしをしていちばんよかったと思うことは、「ゆとり」ができたことです。時間的なゆとりが、心のゆとりを生むという、ポジティブな連鎖が生まれている気がします。ゆとりができたら、子どもたちといっしょに季節を楽しめるようになりました。『すてきなあなたに』でもたいせつにされている「四季を愛でる心」というのは、日本人の素晴らしい美徳だと思います。長女が小さかった頃は、四季のイベントといえば、ハロウィンとかクリスマスとか、アメリカナイズされたものになりがちだったんですけれど、こういう暮らしをするようになってからは「たんぽぽが咲いてきたね」とか「今日はお月見だね」なんていう話をするようになったし、昭和の日本の暮らしの良さみたいなものに気づけた気がします。「ハロウィンで仮装した」とか、「テーマパークでカウントダウンした」という記憶じゃなくて、その季節がくるたびに毎年思い出すような、彼女たちがやがて母親になった時に役立つような、そういう思い出を残してあげたいなと思います。
こんな感じで、直筆のメッセージとイラストが入ってます。
最後に、ノンフィクション作家で評論家の塩澤実信さんが大橋鎮子さんの生涯を解説しています。 朝ドラファンの方、暮らしの手帖や『すてきなあなたに』が好きな方は楽しめる内容だと思います。
どうぞよろしくお願いします。
大橋鎭子さんが教えてくれた「ていねいな暮らし」 [ 洋泉社編集部 ] |
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